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ピエール・ルメートル作「傷だらけのカミーユ」を読みました。

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ピエール・ルメートル作「傷だらけのカミーユ」を読みました。
悲しみのイレーヌ」、「その女アレックス」に続く三部作の最終作です。
前2作でぼろぼろにされたカミーユ・ヴェルーヴェンがまたもや傷だらけに
されてしまう話です。あいかわらず冒頭からのつかみはOKです。
三日間でパリに起こる大事件を扱っています。第1日目、カミーユに出来た
新しい彼女であるアンヌ・フォレスティエは、パリで買い物に出かけた折に
武装強盗団に遭遇してしまいます。強盗団に襲われたアンヌは、瀕死の重傷を
負い、ようやくの事で助かり、病院に搬送されてしまいます。その知らせを受け
取ったカミーユは、事件の現場に乗り込み、本来担当するはずもないその事件に
勝手に割り込み、捜査を大々的に始めてしまいます。事件は、ヴァンサン・アフ
ネルという男の手口に一致しています。アフネル達を追うカミーユですが、驚い
た事に、強盗たちは、アンヌの命を付け狙い始めます。入院していた病院は襲わ
れ、アンヌはカミーユの手を借りて、ある所に匿われます。ところが、本来、知
り合いであるアンヌの捜査をカミーユが行うことは越権行為です。しかしカミー
ユは引き下がりません。強引に警察の権力を大々的に行使し、パリのあらゆる犯
罪者の巣窟をひっくり返しますが、結局強盗団の一員と思しき男の死体一つが挙
がっただけで、捜査は停滞してしまいます。ところが、秘密であった筈のアンヌ
の隠れ家が再び襲われ、アンヌは狙撃され、危うく撃ち殺されるところでした
が、警報装置が鳴ったために九死に一生を得たかに見えます。ところがこのあた
りから話に齟齬が出始めるのです。実はアンヌはアンヌ・フォレスティエではな
いことにカミーユは気付きます。アンヌ・フォレスティエは実在していません。
自分がはめられていたことにカミーユはようやく気付き、驚くべき人物に連絡を
取り、最も見たくなかったイレーヌ事件のファイルを改めてひもとき、真の犯人
に迫って行くのです。この作者さんは、まあおっかない話を書きますね。既にこ
のヴェルーヴェンシリーズ三作が、合本となって出版されているのは大変良いこ
とだと思います。日本での訳出は、第二作から行われた上にこの第二作の評判が
大変高かったために、他の二作品はあまり読まれていないのですが、それはもっ
たいない出来栄えです。
是非第一作よりお読みください。おすすめです。

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by rodolfo1 | 2017-02-03 02:25 | 小説 | Comments(0)
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