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森見登美彦作「聖なる怠け者の冒険」を読みました。

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森見先生の京都ものです。夜は短し歩けよ乙女から派生したように、例の達磨、偽電気ブランなどのモチーフが再び登場します。主人公は、極めつけの怠け者小和田君です。彼は毎週末を何とか怠けきろうと毎日画策しています。その彼に近づくのが京都に巣食う謎のぽんぽこ仮面です。正義の味方として週末のみに活動し、善行を積む仮面は、小和田君を二代目にしようと盛んに勧誘します。

そのぽんぽこ仮面を追う人々がいます。これも稀代の怠け者、浦本探偵と、その週末助手にして大変な方向音痴の川本さんです。彼らはとある京都の裏組織に雇われており、その組織を代表するのがアルパカそっくりの風貌を持つ五代目です。季節は折から祇園祭を迎えます。その時期に、蕎麦処六角では、無間蕎麦というイベントが打たれます。

なにかといえば怠けようと励む小和田君の休暇を拡張しようと企てる恩田先輩と彼女の桃木さんにこのイベントに連れ込まれた小和田君は、店の片隅で眠り込み、自分の世界で南国のバカンスに浸るのですが、この蕎麦屋にぽんぽこ仮面が現れ、彼の身柄を確保しようと蕎麦屋の親父をはじめとする謎の組織が集結し、激しい戦いになります。小和田君の夢の世界と現実は再び邂逅し、傷つき疲れたぽんぽこ仮面の本拠地で小和田君はぽんぽこ仮面に成り代わり、彼の衣装と仮面をつけ、悪の組織に囚われ、敵と対峙します。その意外な敵とは。。。。。

もうちょっと登場人物のディテールを描いていただければ物語にもっとのめりこめると思うのですが、前作同様そこらは結構あいまいです。その他は大変によく書けています。必ず決め台詞があるのが森見ワールドのお約束ですね。更に別の小説を楽しみたいと思わせる出来であったと思います。


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by rodolfo1 | 2017-05-30 02:19 | 小説 | Comments(0)
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