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乃南アサ作「死んでも忘れない」を読みました。

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直木賞作家、乃南アサ作「死んでも忘れない」を読みました。
一見普通の家庭であった三人家族の元に訪れる試練の日々を描く力作です。最初
に言いますが、えらい面白かったです。

小説の冒頭はさながらイヤミスの世界です。崇と渉の親子と再婚した絢子の三
人は仲良く暮らしています。ところが、崇は電車の中で痴漢冤罪を言い立てられ
て捕まり、その女に50万円の示談金を払わせられる羽目になります。その事を崇
は誰にも言えませんでした。

息子の渉は、スクールカーストの只中に生きています。誰かをいじめの標的にし
ては、新たな標的を定めて自分がいじめられないように汲々としています。そう
した中、たまたま絢子が妊娠するのですが、時を同じくしてとある噂が学校や一
家の周囲や会社にもたらされます。崇が女性を襲って捕まった、という無責任な
噂でした。次第にその噂が三人の耳に入るようになり、三人は地域で孤立してし
まい、お互いをなじり始めます。家庭が崩壊するかに思える中、たまたま絢子の
親戚の高校生が、下宿に訪れます。友樹という名の彼は、辛酸をなめて成長して
います。彼の父親が傷害事件を起こし、被害者と家族を残して自らは死んでしま
っています。茫洋として寡黙であるかに見えた友樹でしたが、渉とはうまがあ
い、友達になります。その彼によって三人は。。。。。

大変良い小説でした。さすがにたくさん書いている作家さんは違いますね。これ
からはこの作家さんの作品をもっと読まないといけないと思いました。


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by rodolfo1 | 2017-08-21 02:46 | 小説 | Comments(0)
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