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ピエール・ルメートル作「その女アレックス」を読みました。

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久しぶりに気合の入った海外ミステリを読んだという満足感でいっぱいです。一時期私は、小説といえば海外ミステリしか読まなかった時代があるのですが、今でもどうも日本のミステリを含めた小説には違和感をぬぐえません。なんでかと言えば、日本の小説とは、新聞あるいは文芸誌に連載されたものを一遍の小説に編んだものがほとんどでしょう。どうもそういう体裁で出来た小説は、なにかモザイクを集めて一幅の絵に仕立てたようで、細かい盛り上がりはあるのですが、海外の小説のように大きい展開は期待できないことが多いです。その点この小説は、久々に読んだ大作長編小説です。

まずはじまりは、全く理由のわからない誘拐事件です。若い美人の女性が誘拐され、全裸で小さい拷問用の木箱に閉じ込められます。冒頭のこの部分は、何故この誘拐事件があったのか、という謎に満ちていますが、次第に小説は、この女は何者で、何でこんなことをするのか、という点に収束してきます。小説の終末は、幾多の登場人物をひとつにつなげる展開と、女の兄に対する罪の追求が展開されます。大変骨太の物語。久々に良いミステリを読んだ満足感でいっぱいです。読者の書評で、模写がグロいという指摘もありますが、そこは肉食民族の描く物語、これくらいの毒があっても良いのだと思います。おすすめ。









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by rodolfo1 | 2015-07-17 02:47 | 小説 | Comments(0)
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