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東山彰良作「流」を読みました。

東山彰良作「流」を読みました。
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これは素晴らしい小説に出会いました。本年度直木賞受賞作だと言うので求めましたが、いや、直木賞といえば、近年の桜木紫乃先生を凌ぐ素晴らしい出来です。もともとはミステリ作家さんである模様で、このミスなどの賞を受けておられます。もともとは台湾の方だそうですが、抗日戦争と、対共産党戦争を含めた内容の濃い小説です。冒頭から殺人事件が起こります。主人公を可愛がっていた、対共産党戦争で名を馳せた祖父が、浴槽の中で殺されます。なんとも無残なその最期に、可愛がられていた主人公は復讐を誓うのですが、なんとその犯人は。。。。東山先生は、美しい文章を書く作家さんです。芥川賞作家とはまた違い、情緒あふれる文章を書かれます。「『目を閉じててもわかりますよ』わたしの下で、彼女は子供のように笑った。
『私たちはみんな、いつでもだれかのかわりなんだもん』」また引用します。「彼女の瞳が潤み、ふくれあがった涙が頬を流れ落ちた。洟をすすり、泣き笑いをしながら、何度もわたしの胸をたたいた。それは素晴らしいことをたくさん予感させる、春の嵐のような涙だった。」大いに期待して読んでいただいていいと思います。素晴らしい出来の小説だと思います。












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by rodolfo1 | 2015-08-07 02:01 | 小説 | Comments(0)
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