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西加奈子「まにまに」を読みました。

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敬愛する西加奈子先生のエッセイ集であります。三章に分かれており、第1章は、
西先生の日常を綴ったもの。第2章は音楽関係のエッセイ。第3章は、西先生の
愛読書の書評から成っています。

第1章は正直言ってあっさりしすぎです。あまりに短いエッセイばかりで、楽し
めません。時々入る西先生の大阪弁がのほほんとして面白いくらいです。第2
章に入り、やや熱意が増します。お好みのミュージシャンについて熱弁を振る
われます。思わずyoutubeで拝見したほどです。

第3章はさすがに抜群の出来です。数々の日本や世界の名作について詳細に語ら
れています。今後の読書の参考になってよろしいと思います。ところで西先生
と言えば、なかなかに怖い小説を書かれる作家さんです。その西先生が、着ぐ
るみやピエロ、化粧した役者など、外観と中身の異なるものが怖い、と書かれ
ていたのはなかなか面白かったです。

西先生の考えるちょっと怖い小説の登場人物(普通の婿さんの背中に鳥の羽の
タトゥーがあったり、普通の女性編集者でありながら、ロボットのようだと称
される、喜怒哀楽の全く無い主人公は、実は人の顔を見て、顔の位置を勝手に
変えて、ふくわらいをして遊んでいます。)は、実はこうした西先生の感覚に
基づいて作られたものなのだと思いました。

西ファンにはおすすめだと思います。あと、名作「サラバ」の装丁が西先生ご
自身の描かれたものであったことは有名だと思いますが、このエッセイ集にも
先生のイラストが縦横に使われていて、これもなかなか面白かったと思いま
す。もちろん表紙もそうです。西ファンにはおすすめです。






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by rodolfo1 | 2015-10-10 06:55 | 小説 | Comments(0)
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