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住野よる 「君の膵臓を食べたい」を読みました。

東京に行った、と書きました。それで?と言われると思いますが、
本日はエキサイトがシステムエラーを起こしています。
20kbの画像すら上がりませんので、アップ不可能です。
設定を見直しますと、これ以上はただでは使わせない。金を払え、と
書いてあります。仕方がないので払いました。はい上がりました。
住野よる 「君の膵臓を食べたい」を読みました。_d0019916_14433942.jpg


住野よる 「君の膵臓を食べたい」を読みました。大変に良い作品ですので
力を入れてがんばって書きます。
この作家さんのデビュー作だとか。達者な作家さんが現れました。衝撃的なタイトルで掴みはOKですね。別にスプラッタ的な作品ではなく、題名についてもきちんと説明があります。主人公の一人、女子高生の山内桜良(さくら)は、膵臓の病気を患っています。そこで、突然もう一人の主人公、「地味なクラスメイト君」に、「君の膵臓を食べたい」と告白するのです。「いきなりカニバリズムに目覚めたの?」とクラスメイト君が聞き返します。山内桜良は意気揚々と説明します。「昨日テレビで見たんだあ。昔の人は、どこか悪いところがあると、ほかの動物のその部分を食べたんだって。だから私は君の膵臓を食べたい。」

クラスメイト君には小学校の頃から一人も友達がいません。読書に没入して、他者との関わりを絶っています。その彼に、クラスの人気者、彼とは全く対極の存在である、山内桜良(さくら)がこういう形で関わってきます。その後、たまたま病院に居た彼は、桜良の共病日記を拾って読んでしまい、彼女の病気の事を知ってしまいますが、当の桜良はあっけらかんとして彼をデートに誘います。ほとんど引きこもりに近いクラスメイト君にとって、クラス三番目の美少女が、向こうから声をかけてくるだけでも夢のような話ですね。ところが、彼女に引っ張りまわされて、何回かのデートを行った後、彼は、このような約束を彼女とします。「君が死ぬ前に行きたいところに行けばいい。」彼女の頼みを聞き入れる事になったクラスメイト君は、彼女と旅行に出かけます。彼と彼女はいろんな会話をします。

曰く。僕らは、あの日に病院で偶然に出会ったに過ぎないんだから、と言うと、僕は彼女に叱られた。「違うよ。偶然じゃない。私たちは、みな、自分で選んでここに来たの。君と私がクラスが一緒だったのも、あの日病院にいたのも、偶然じゃない。運命なんかでもない。君が今までしてきた選択と、私が今までしてきた選択が私たちを会わせたの。私たちは自分の意思で出会ったんだよ。」
「生きるってのはね、きっと誰かと心を通わせること。そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ。」
いいセリフですね。

このような軽妙な会話を交わすうちに、次第に打ち解けてきた二人だったのですが、そこで衝撃の事件が起こります。ありえない事件の後で、彼は彼女の共病日記をついに読むのですが。。。。。引用します。共病文庫にはこのような記載があります。山内桜良は自分のことを、他者によりかかり、他者に生かされているから自分が存在するに過ぎないと思っています。彼女は言います。

「だけど、君は、君だけは、いつも自分自身だった。君は人との関わりじゃなくて、自分を見つめて魅力を作り出してた。私も、自分だけの魅力を持ちたかった。だからあの日、君が帰ったあと、私は泣いたの。君が本気で私を心配してくれた日。君が私に生きててほしいって言ってくれた日。友達とか恋人とか、そういう関わりを必要としない君が、選んでくれたんだもん。誰か、じゃなく。私を選んでくれたんだもん。初めて、私は、私自身として、必要とされてるって知ったの。初めて私は、自分が、たった一人の私であるって思えたの。ありがとう。」

ほんとに思いますが、これが処女作とは後世恐ろしいです。涙腺の弱い方は、一人で読むことをお勧めします。近来珍しいラブロマンスで読ませる作品です。題名にめげず是非お読みください。大変なおすすめです。














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by rodolfo1 | 2015-10-13 02:54 | 小説 | Comments(0)
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