宮下奈都「羊と鋼の森」を読みました。


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本年度、本屋大賞受賞作です。作品名の羊と鋼、の意味とは、ピアノのハンマー
が羊のフェルトでできている、ということであり、鋼はピアノの弦をさします。
つまりこの物語の主題はピアノであるわけです。

主人公の外村君は、なんのとりえもない高校生です。とある時、その高校に板鳥
さんという調律師が、体育館のピアノの調律に訪れます。外村くんは、調律の
間、二時間ほど延々と調律を眺めています。微妙な音の違いを聞き分け、その音
から外村君は森の音を連想します。思わず「弟子にしてください」と頼んだ彼
に、板鳥さんは、調律師の専門学校を紹介します。

卒業した外村君は、後に述べられますが、板鳥さんの熱烈な支持によって、板鳥
さんの楽器店で働くことになります。もちろん最初は何もできません。見学する
だけの毎日です。そうした中、あるとき、和音と由衣のふたごの姉妹の家に調律
に向かいます。二人の調律を次第に任されるうちに、調律の真実に目覚めてきた
外村君なのですが、だいぶ慣れてきたにもかかわらず、なぜかよく依頼を断られ
ることに気がつきます。

なぜかわからないで悩む外村君なのですが、ある時、先輩の結婚式のピアノ演奏
の調律をまかされることになります。なんとそのピアニストは和音ちゃんなので
す。会場に赴いた外村君には、その時驚きの気づきが生まれるのです。

演奏のみならず、音楽、というものにかかわりのある方にはとても興味深い小説
だと思いました。反面素養のない方々にはよくわからないのではないでしょうか
?。少なくとも私は大変楽しみました。多少読者を選びますが、良い作品だと思
ました。




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by rodolfo1 | 2016-05-25 02:07 | 小説 | Comments(0)
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