湊かなえ作「ポイズンドーター・ホーリーマザー」を読みました。

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最近はこの線から脱却されたのかと思われましたが、またまた復帰されていま
す。嫌ミスの女王と称される湊先生の真骨頂が炸裂しています。6つの短編が
合わさったものですが、微妙に話は前後して関連しています。物語の通奏低音
になるのは、毒親の話です。ただ、小説の最後には、毒親に対する別の見方が
提示されていて、毒親には毒親の理屈があるのだと思わせています。

ある章では主人公が人に害を加え、ある章では主人公は相手を助けて自分は刺
されます。ある章では主人公へのアンチテーゼをひたすら別の登場人物が語り
ます。こういう小説が上梓されるのは、今の日本の小説社会では仕方がないの
でしょうね。これが海外の小説家であれば、一年か二年構想を練って、一冊の
小説を上梓すれば、あれよあれよという間に英訳されて全世界で売られます。
いくつかの小説で一生食べていけるのです。ハリーポッターなどはその典型で
しょう。生活保護を受けながら書いた、たった八冊の小説で、ミリオネアにな
れるのです。

日本の小説社会はもっと狭小です。ひたすら短編を書いては文芸誌に投稿し、
編集者にせっつかれながら、延々と自分の小説流儀を展開しながら書きつない
で生計を立てる。それではほんとに面白い小説は書けないでしょう。湊先生に
も畢生の大作、絶唱があります。これを英訳して全世界に広めるのは難しいと
思いますが、彼女には世界的名作を書けるポテンシャルがあると思います。

今はやりのクラウドファンディングでも起こして、彼女に一年分の給料を出し
て、一年に一作小説を書いて、その印税から揚がりをいただく、という商売を
する人はいないものですかね。もちろんそれを英訳して世界に売ればもっと儲
かります。こういう形の湊先生の小説はもう読みたくない、というのはあまり
に贅沢な要求なのでしょうか。。。。。

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by rodolfo1 | 2016-07-20 03:00 | 小説 | Comments(0)
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