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馳星周作「神奈備」を読みました。

馳星周作「神奈備」を読みました。_d0019916_13532370.jpg
もうほんとに馳星周はだめになっちゃったんですかね。。。
楽天の上位600位にも入ってないですしね。ちなみにこの間こき
下した百田氏の「カエルの楽園」はなんと2位にランクされています。
世の中わからんものです。ちなみに この本を探しても町の
本屋のどこにも見当たりませんので、書評するだけ無駄かもと思った
のですが、せっかく書いたので一応レビューします。

百田尚樹のカエルの楽園に星ひとつの評価をつけた私ですが、この作品はどうに
もこうにもなりません。そもそも小説というものは、主人公、というものが存在
するはずです。その主人公に強固なある意志や目的があって、それを巡って他の
登場人物が行動する、という体裁になっているはずです。いくつかの実験小説は
さておき、普通のエンターテインメントはそうなっています。

この小説では、主人公は、ネグレクトされて育った青少年ですが、彼は御嶽山に
いると想像している神様に、自分の存在の意味を問うためにあえて天候の悪化し
た状況で御嶽に登山するわけです。そもそもこの年代の子供が神を信じている、
というのがありえません。しかも、彼が山の神を信じている、という根拠とか伏
線が全くありません。ただ信じている、と馳先生がいうだけです。

小説作法はすべて無視されたまま、馳先生の登山に対する蘊蓄だけがひたすら展
開されます。知りませんって。先生、金を出してこの本を買ったこっちの身にな
ってください。もうあなたは売れっ子作家ではないです。実際この本は自分の身
近な本屋のどこにも展示してありません。今後小説家として生きていくなら、あ
なたの数奇な生い立ちや、本の雑誌社にひろわれた前後のゆくたてを私小説とし
て書くしかないでしょう。その覚悟もなく今後小説家を名乗ることはもう許され
ない、そういう状況にあなたは至っていると思います。いよいよ私らも、馳先生
と手切れしなければいけない模様ですね。馳先生さようなら。。。。

by rodolfo1 | 2016-10-31 02:21 | 小説 | Comments(0)
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