ピエール・ルメートル作「悲しみのイレーヌ」を読みました。
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ピエール・ルメートルのヴェルーヴェン警部シリーズ第1作がこの小説です。第2作、「その女アレックス」 があまりにも有名だったせいでそちらを先に読みましたが、その方が良かったです。第2作を先に読んだので、この小説の最後のあまりにもやりきれない結末がやや救われました。小説の冒頭は衝撃的です。二人の売春婦がものすごく猟奇的な方法で惨殺されます。室内は血の海。バラバラ殺人です。全く手がかりのない状態で捜査を続けていたカミーユ・ヴェルーヴェン警部は、また愛する妻の初めての出産にやきもきしています。捜査の進展とともに出産の日が近づいてきています。その頃、捜査には偉大な進展がありました。カミーユは、実はこの殺人事件はミステリ小説が下敷きになっている、と考え始めます。その方向で事件を追っていくと、他に何件も未解決事件として扱われていたものが、同様にミステリを下敷きとした殺人であることが判明します。また、その一方、マスコミへの執拗な情報リークがあり、マスコミは捜査情報をばらすことによって捜査妨害を行い、非難はカミーユに集中しています。とある本屋が捜査線上に揚がりますが、彼は無関係と判明し、犯人からカミーユ警部へ連絡があります。彼らは新聞を通していくつかの情報をやり取りしますが、次第に犯人が最後の殺人を計画していることに気づき、カミーユは焦ります。なんとその最後の殺人の犠牲者とは。。。。。犯人の血まみれの殺人の模写を背景に、ものすごい筆圧で一気に読ませます。大変おすすめです。
by rodolfo1
| 2017-01-30 02:33
| 小説
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by rodolfo1
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