さて、元々人見知りの上に零細事業所の商店主ですのではなはだ顔は広くない。おまけに高槻住まいとなりまして益々世間は狭くなりました。以前天王寺に住んでいた頃はそれなりに人脈もあったのですが、当時は北新地は完全アウェイでして、知る人ぞ知る名店にはとんとご縁が無かったわけです。おまけに高槻からはミナミは遠い。キタの飲食店を開拓する必要にかられてはいたのですが、ここらのご新規お断りの店には到底入れませんでした。
北新地の一見さんお断りの寿司屋で有名なさえ喜という店がありました。今年初頭から閉店し、東京に進出される、という噂はあったのですが、今日に至るまで開店情報は聞きません。そこで、さえ喜さんご出身だというこの店にお邪魔しました。さてお手並みは如何でしたか。
鮨村上二郎。
カウンターのみ八席。
ビールでかんぺ~。
北海道の巨大なつぶ貝。
まずはつまみから。そのつぶ貝と真菜、柳松茸の肝ソース和え。良店の予感。
白子の茶碗蒸し。卵の黄身ではなくて山芋が蒸されています。中は均一ではなく濃いところとさらさらなところがあって口当たりに変化がついている。実に繊細なお味。これがさえ喜の伝統なのでしょう。素晴しかった。彩りも美しい。また器が良い。
私は麦焼酎の水割り。器が可愛い。唐子付きの有田焼。
刺身の醤油が運ばれる。昆布醤油と平目肝ポンズ。
まずは平目とクエ。このクエが実にうまかった。
8人全員が揃う。4人は香港からのお客。英語が通じるのでメニューの説明を英語で少々お助けした。
松葉がにがプレゼンされる。これを鍋でいただけるのだとか。
次に鵡川の生ししゃもとむかごの炭火焼き。道民の連れには気に入られなかったが私は充分楽しんだ。
蟹身に火を入れる。
九条葱とともにはふはふ頂く。実にうまかった。ここはほんとに器の趣味がよろしい。
痛風丼。うには釧路産。
キャベツの漬け物が出る。自家製でこれもまたうまい。
店主のお連れさんが主として日本酒ソムリエをこなす。長身の美人。入籍していないいやらしい関係なんだとかステキな笑顔で教えてもらいました。
大変愉しい店なのであります。握り編に続きます。