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2024年12月7日、割烹さ々木にお邪魔。

さて、せっかくの土曜日だと言うのに大阪に呼び出されてたったの1時間だけ拘束されるというつまらん仕事をこなして高槻に戻る。この日の夕食はいつもの割烹さ々木であるが、多少の仕込みをしている。楽しみです。外観。
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ビールでかんぺ~。
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この額は去年も飾られていた。笑う酒と書いてえぐしと読むんだそうでした。飲めば楽しくて顔がにこにこするような酒の事なんだそうです。いつもながら良い額ですね。
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まずは鯛の子。アニサキスセーフでした。
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さて、本日の仕込み、てっさであります。こないだは北新地の弓場慎之佑でも誂えたのでしたが、どうも弓場の大将は河豚を食べる趣味がないと見えて、あまり満足できなかった。そもそもてっさの量がぜんぜん足らなかった。これくらいが一人前なのであります。こんな味の薄いもの6切れくらい出されても食べた気がしませんでした。
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芽葱添え。
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わてはハイボールを貰う。
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さて、塩焼きフグであります。これこれ。骨のついてない身を焼いても焼きフグではありません。あらを焼かなくてはね。これを手づかみで食べてこその料理なのであります。ほんとはつけ焼きの方が好みなのではありますが、大将がそれは出来んと言う。まあ寿司清で頼むから勘弁しましょう。
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あまりに旨かったので、禁を破ってヒレ酒を貰う。ヒレ酒は超熱燗だからかなんとか無事にしのぎました。火をつけてもらうのは実に久しぶりですね。
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ほっほっほ。冬はヒレ酒に限りますね。またこの店は立派なヒレを使っている。ヒレがしょぼいのは実に貧乏臭いですからね。しかしこの夜激しむかつきに襲われて二度と飲まない事を誓う。もうあきまへんわ。。。
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さらにセイコガニを貰う。日頃の憂さ晴らしに連れに進呈する。
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なんという事の無い生活雑器だと思いますが、ポン酢を入れると実に良い味が出る器である。良いご趣味。
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寄せ鍋で更に温まる。
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連れは更に好物の茶碗蒸しをいただく。
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大満足でした。多分また頼むと思います。






# by rodolfo1 | 2024-12-12 02:06 | 寿司以外の食べ物 | Comments(0)

千早茜作「赤い月の香り」を読みました。

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千早茜作「赤い月の香り」を読みました。透明な夜の香りの続編です。

【1:New Moon】朝倉満は勤めていたカフェに現れた、青い夜の気配がただよっているような男を見て、騒がしい店内の音が聞こえなくなりました。男のまとう夜の気配の中には白くて細い月が映っていると満は思い。。。するとやにわに満の腕にウェイトレスがぶつかり、コーヒーをこぼしたのでした。満がウェイトレスを睨むと、目つきが怖いと彼女が怯えました。しかし店長はなぜ満が皿を運んでいたのだと絡み、満は自分にそれを言いつけた男が誰か思い出せず、厨房を見ましたが、皆目をそらしました。思わず満はおい、と怒号を放って店長を睨みつけ、店長はこわばりました。しまった、と満は思いましたが。。。

そこへその皿を注文したヤクザのような黒ずくめの男新城が、その皿をさっさと持って来いと満に命じ、あの夜のような男、朔が新城にうるさい、と一言放ちました。そして朔は、この職場に君は合っていないと満に言いました。更にこの店はストレスの匂いでいっぱいだ、そして君からは怒りの匂いもすると言い、うちで働けと言って名刺を残して去りました。朔からは不思議な香りがしました。。。満は、あの香水は何かと新城に尋ね、新城はあれは朔のオリジナルの香りだ、朔は調香師でどんな香りでも作り出し、香りで何でもわかるのだと答えました。

その夜満夢を見ました。満は月の荒野に居り、音の無いここなら赤く燃えて月が追ってくる事はないと安心しました。しかし満の掌は真っ赤に染まり、このままでは月が赤に覆われてしまうと怯え。。。その時あの朔の香りがし、そこで満は目が覚めました。満は朔の店の面接に行きました。あの香りを満は欲していたのでした。現れた朔は満に、仕事は家事手伝いだ、ここで知った秘密は口外無用だ、嘘をつくのは許されないと言いました。

すると新城が、朔、あいつは駄目だ、前科者だと言いながら入って来、満を見て驚きました。満はまたか、と失望しましたが、朔は、満は頭に血が昇るとおさえられないのだろうと言い、あの後他の店員に携帯を壊されて喧嘩しただろう、その後満は嘔吐したが、それは暴力の後悔からかそれとも興奮からかと更に聞き、思わず満はその洋館を飛び出しました。しかし敷地内で道に迷い、満の匂いを追って来た朔に見つかりました。朔は、少なくと満は嘘はつかなかったと言い。。。

【2:Crescent Moon】満は、自分が怒りを抑えられないのを自覚していました。その後朔の元で働き始めた満は、毎日洋館の掃除と庭師の源さんの手伝いをしていました。しかし毎日訪れる朔の客は変な香りばかりを依頼し。。。その日訪れたのは客ではないと朔は言いました。立ち去るその女からは初めて朔に出会った時と同じ香りがし、思わず満は話しかけようとしましたが、朔に制止され。。。次に来た客は有名歌手のリリーでした。リリーは運転手の城嶋を連れて現れ、朔は、たとえ家族であっても同席は出来ない、嘘は許さないと言いました。リリーは確かに城嶋は異父兄だと認め、城嶋に出て行けと言いました。リリーはある香りを依頼して帰り。。。

しかし城嶋が一人で戻って来ました。城嶋は朔にある事を懇願し。。。それは。。。しかし朔は峻拒し。。。後日リリーはその香りを受け取って、これさえあればなにもこわくないと言って涙を流し。。。実はその香りは。。。

【3:Pale Moon】満は新城に命じられてある女を尾行していました。実はそれは新城の探偵仕事の一環でした。その女の夫が、女の浮気を疑って調査を依頼しましたが、浮気の素振りは全くありませんでした。その途上、馴染みのパン屋で、朔の香りをまとった女と再会しました。思わず満は、朔の洋館で見たと女に声を掛け、女は若宮一香だと自己紹介し、以前朔の元で働いていたと言いました。一香は朔が雇い人に自分の作った香りをまとわせるのは、どうせいなくなる人の新しい香りを覚えるのが嫌だからだと言いながら、朔に渡す筈だった封筒を満に託しました。。。

その日朔の元を仁奈が訪れました。新城は満に、あの女は怖いから気を付けろと警告し。。。仁奈は新しく出来た恋人の為の香りを買いに来たのでした。仁奈はお茶を運んできた満に、自分は血を見るのが好きだ、朔には新しい恋人を傷つけないように傷跡の香りを作ってもらったのだと言い。。。実は仁奈の恋人とは。。。満は朔に、仁奈は血の匂いがしたと言うと、朔は仁奈から漂うのは暴力の気配だ、満は暴力に過敏なのだろうと言い。。。満は新城に、あの女の浮気の相手がわかったと言い。。。

【4:Flower Moon】桜が散った頃、一香が朔の元を訪れました。敷地の森の中で一香を見つけた満は、一香の胸元が血まみれなのを見てぎくりとしましたが、それは薔薇の花束でした。洋館までの道のりを案じた満は朔に薔薇を渡すと言い、一香はそのまま帰りました。それを聞いた新城は、朔と一香の気持ちを察してやれと言い。。。朔は、以前一香から何かを預かっただろうと満に言い、カリグラフィを勉強中の一香に香りに合った書体でラベルを作ってもらっているのだと打ち明けました。

その日の客は若い男持田でした。持田は自分が通っていた小学校の香りを作ってくれと言い、朔は新城に調査させてその香りを作りましたが、持田はその香りを嗅いで、これだ、懐かしいなんてもんじゃないと硬い表情で言いました。持田は同窓会で同級生にこれを嗅がせるつもりだと言って帰りました。持田はまた訪れて、今度は体育倉庫の香りを作ってくれと言い、更に飼育小屋の香りも追加注文しました。。。

そんな中持田に同級生の男から電話がかかり、持田に難癖をつけている様子でした。満は思わず電話を取り上げて仕事中だと言ってその電話を切りました。そこに朔が現れ、持田の体からは怒りや憎しみの香りがするからうるさいと言いました。持田は驚き、持田の依頼の理由を語りました。それは。。。しかし満は。。。満は朔に、いまも自分は赤い月に追いかけられる夢を見るのだと打ち明け、朔は、満は月に取り憑かれているのかもしれないと言いました。。。

【5:Half Moon】満は赤い月が満を監視する悪夢を見て、自分の叫び声で目覚めました。あれから時々満は持田と電話する仲でした。。。その日の客は眼鏡をかけた真面目そうな女性橘でした。彼女から香る物凄い柔軟剤の香りに満は辟易しました。橘は、自分は嗅覚を失ったのだと言い、それから夫が別人にしか感じられなくなり、セックスレスに陥ったと言いました。そして自分の母親は孫を望んでいる、子作りをする為に自分の嗅覚を取り戻す香りを作ってくれと橘は言いましたが、朔は無理だと言いました。

勝手口に芍薬の花を抱えた源さんが現れ、帰った筈の橘が突然そこに現れました。橘は母が来たのかと思って勝手に入ってしまったと言い、それを見ていた朔は。。。橘を迎えに来た橘の夫は、実は彼女の母親はもう死んだのだと打ち明け、朔は、母親は橘に体罰を振るっていただろうと言い、夫は肯定しました。そして朔は、母親は信心深かっただろうとも言い。。。満は橘から何の香りがしたのかと朔に尋ね、朔は。。。

【6:Blue Moon】開口一番朔は満に、虫歯が出来ているから歯医者に行けと命じました。歯医者で満が橘の事を考えていると、歯科衛生士に呼ばれました。何度か名前を呼んだが満は怖い顔をして固まっていたので自分が声を掛けたのだと言いました。受付のスタッフは満を見て怯えており。。。満の治療は終わり、あの歯科衛生士が、満の香水は良い匂いだと言いました。満は、これはどこにも売っていないが、良ければ持って来てやると彼女に言い、彼女の連絡先を貰いました。彼女の名前は茉莉花でした。

源さんは、自分は仕事ばかりで家族を顧みず、妻には先立たれ、娘には絶縁されたと打ち明けました。思わず満は、自分は施設育ちなので家族の事は良くわからないと言い、源さんは真面目に働いていただけで家族を虐待したりはしていないのに何故娘に疎まれるのかと尋ねましたが、源さんはわからないと言いました。そして今自分が飲んでいる番茶は京都から取り寄せているのだと言い、亡くなった妻が愛飲していたものを朔に探し出してもらったのが朔との馴れ初めだ、そしてその対価がこの洋館だった、施設育ちは朔も同じだと言いました。。。

満は朔の家から香水やボディソープなどをくすね、夜に茉莉花を呼んで彼女にもその香りをまとわせました。暑い夏の日、敷地で誰かが熱中症で倒れていると新城が叫び、一同は彼女を介抱しました。それは何と源さんの娘泰子で。。。その日泰子は源さんと長い事話をしました。。。

【7:Blood Moon】香水等をくすねているのが朔にばれている事に満は気づきました。それとなく源さんに満は、クビになるかもと打ち明けましたが、やはり朔は一香でなければ駄目なんだろうと源さんは答え。。。いつものパン屋に行くと一香と会いました。折柄夕立になり、一香は自分のアパートで雨宿りをしろと言いました。思わず満は一香に、もうすぐクビになりそうだが、朔の香水からは離れがたい、クビになっても香水を譲ってくれないかと一香に頼みましたが、一香は満に少しも怯えずに頼みを断りました、そしてその理由を満に話し、満の願いは自分にはよくわかると言いました。

朔は満に、満月の今夜茉莉花が満開になるから徹夜で茉莉花を摘む、それが満の最後の仕事だ、ここでは嘘は駄目なのだと言いました。満は朔に土下座して、朔の香りが無ければ自分は誰かと暮らせない。なんとしてでもこの香りを今後も自分に分けてくれと懇願し、朔はあっさり了承しました。そして、満が人と一緒に居られない理由を自分にだけ話せと言いました。そして自分もまた母親というものを疑っている、母親はずっと朔に嘘をついていたから、と言いました。そして昔の事を思い出せないから、思い出せる香りをやるから試せ、と言って別の瓶を差し出しました。。。

【8:Full Moon】満は朔と茉莉花を摘みながら、自分の子供時代の話をしました。実は満は祖母に育てられ、母親はたまにやってきて祖母と喧嘩ばかりしていました。ある日満はヒステリーを起こして祖母の家から追い出され、母親と暮らし始めました。しかし母親は満を虐待し、ついに追いつめられた満は。。。朔は初めからその話を知っていたと言い、満も知らなかった満と母親の秘密を語り出しました。朔もまた自分の秘密を満に語り、満に出会ったのは偶然では無かったのだと言いました。。。その後満はついに。。。

前作「透明な夜の香り」に続くこの作品もまた傑作でありました。前作同様さながらミステリのように物語は進みますが、この作品は更にミステリ度が高まっていて読者を楽しませます。天才調香師の朔に新たに雇われたどこか心に傷を持つ満は、朔の言うままに仕事をこなす中、次第に自らの傷を自覚し、ついに他者との絆を結ぶに至ります。しかしそれは朔もまた同様に。。。

更なる続編が待たれる出来栄えでありましたが、如何なものでしょうか。この後の朔と一香の物語をもう少し読みたい所でありますが、最後の一節を読み解くなら、これで終わってしまうのかもしれません。しかし前作ではまだまだ未完成だった朔というキャラクターがこの作品で終わるには、あまりにもったいないとは思うのですが。。。こればかりは千早先生の胸一つなのでしょう。大変楽しみました。


# by rodolfo1 | 2024-12-11 02:37 | 小説 | Comments(0)

後半、2024年12月4日、千成寿司にお邪魔。

さて、握りスタート。まずは甘鯛炙り。甘鯛は炙ると別物になるのであります。実に旨かった。
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さらにスミイカ。わてだけ。
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更に温蟹素麺。寒い折柄、なによりのご馳走だった。実に旨かった。
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中トロ。連れに進呈する。旨かったそう。
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更に赤貝。
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サヨリ。アニサキスセーフだった。これが大抵OKなのは、かなり早い時期から内臓をきれいに抜いてしまうせいだと思う。実に良いサヨリだった。
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さらにアジ。脂の乗り方が一味違うアジだった。これもわてだけ。
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べったら。
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シラサエビ。ぷりぷり。
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海老芋炙り。連れの大好物であります。
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漬け。良い漬かり具合。
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さて〆に入ります。納豆巻き。この店で納豆巻きが食べられて大変嬉しい、以前は無かったのですよ。
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さらにカッパ巻き。
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大変結構でした。平日の夜に満席とは素晴らしいですね。今後も頑張ってください。




# by rodolfo1 | 2024-12-10 07:28 | 寿司 | Comments(0)

2024年12月4日、千成寿司にお邪魔。

阪急淡路の千成寿司にお邪魔しました。この駅の高架工事は私らがこの店に通う前からやっておりましたが、おそらく我々が現役である内に完成する事はないでしょう。
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ビールでかんぺ~。
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まずはこの時期の恒例、金時草胡麻和え。
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これも恒例、鯛。ぷりぷり。
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更にヤイトガツオ、和辛子で。連れはパス。カツオを見る度に高知のひろめ市場を思います。楽しかったなあ、あそこは。しかしアニサキスアレルギーのお陰で高知にはもう行けません。土地の魚の危険性もさることながら、あの土地の出汁には青魚が必ず入っていると思って間違いないのでありますから。。。生憎な事にカツオはとても旨かった。。。
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更にカマス炙り漬けワサビ味。このカマスを一旦炙って漬けたというのが新機軸ですね。カマスは火を通した方が旨いです。相変わらず大将の腕は冴えわたっていますね。
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わてはハイボールを貰う。
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次は甘海老シャリコマ握り。実に甘い甘海老だった。
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更にシシャモ。シシャモは久しぶり。
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次にアンキモ。わてだけ。久しぶりのアンキモであったが、実によろしかった。
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更に白子のつけ焼き。これもわてだけ。実にうまい塩梅につけ焼きになっています。いつも築地寿司清の板前の焼き物の腕前に感心するのですが、このつけ焼きという料理は関西の板前さん皆苦手ですね。あと、どうも関西の醤油はつけ焼きには合わないのではないかと思います。ここの大将はこのつけ焼きという技術に秀でているのです。外はかりかり中はふわっふわで素晴らしい火通し加減でした。
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食べ終わった皿を映してすみません。しかしこのなんでもない有田の小皿は実に良く使われていて時代が出ています。おそらく先代さんの頃から大事に使っているのでしょう。器は使ってなんぼです。私が以前大変感心した妙見石原荘の祥瑞もそのような器だったでした。使ってこそ良さが出るものなのであります。
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さてこの寿司屋の得意の肴、痛風丼です、この日の雲丹は北海道のバフンと徳島産でした。いつもながら素晴らしかった。
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天才肌の大将。以前はなかなか尖っていたものですが、最近はずいぶん丸くなられました。ついにゴルフで87というスコアを出したと自慢されてしまいました。くそ~。まあ彼は物凄く飛ぶらしいですからね。
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炙り〆サバ、山ワサビ添え。〆サバは炙って山ワサビを添えるに限ります。
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更にホッキ貝炙り。肉厚の素晴らしいホッキでしたね。
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後半に続きます。




# by rodolfo1 | 2024-12-09 02:55 | 寿司 | Comments(0)

千早茜作「透明な夜の香り」を読みました。

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千早茜作「透明な夜の香り」を読みました。

【1: Top Note】今まで勤めていた書店を辞めた若宮一香はアパートに引き籠っていましたが、たまたま買い物に外出し、庭の赤い蔓薔薇を眺めていると、その蔓薔薇の手入れをしていた大家さんに、久々に顔を見たと声を掛けられました、しばらく雑談をした後に一香はスーパーに向かい、そこの掲示板にアルバイト急募、家事手伝い兼事務、接客とあったチラシに目を留めました。一香は連絡先に電話し、面接に出かけました。出がけに大家さんが薔薇を一輪くれました。面接先の洋館には「la senteur secrete」と書いてありました。その洋館はきれいに花が咲き誇る庭園に囲まれており、庭師の源さんが手入れをしていました。

家の中からは2人の男が言い争う声が聞こえました。それは粗野な新城と、深い紺色の声の持ち主、調香師の小川朔でした。朔は、鞄の中の薔薇に水を吸わせてやろうと言い、一香の面接を始めました。朔は一香がしばらく引き籠っていただろうと言い当て、新城は、作は匂いの天才で、匂いからいろんな事を言い当てるのだと言いました。朔は、ここで働くなら身の回りの石鹸や化粧水などはみな自分が作ったものを無料で支給するから使えと言い。。。

【2: Floral Note】一香は兄の悪夢を見て目を覚ましました。出勤した一香は朔のメニューを元に朔の朝食を作りました。出来上がった頃に現れた朔は一香と一緒に朝食を摂った所へ騒々しく新城が現れ、朔に惚れるな、ここを辞めさせられるぞと一香に釘を刺しました。一香はワックス掛けを始めましたが、ワックスのラベンダーの香りに、富良野の父親の実家を訪れた時の事を思い出していると朔が現れ、香りは海馬に記憶されて永遠に残るのだと言いました。

その日店に現れたのは藤崎と名乗る美人でした。藤崎は、亡くなった夫の身体の香りを作ってくれと朔に頼み、夫の衣類を朔に渡しました。しかし常々嘘は嫌いだ、自分は嘘の匂いがわかるのだと言う朔は新城にクレームし、別の日一香と新城と共に都心に向かいました。そして藤崎が話した夫が常々通っていたという駅に着き、朔はしばらく匂いを探りました。そしてある男を指して、あれが藤崎の亡くなったと言う夫だと言いました。新城はその男に声を掛け。。。実は藤崎はその後。。。朔は、自分には好奇心はあるが倫理観は無い、客が求めた香りを作って渡すだけだと言いました。。。

【3: Chypre Note】一香は届いたばかりの新鮮なアスパラガスを朔の指示通りに焼いて朔に食べさせました。その日も一香は、自分の規則を守る朔を見ながら兄の事を思い出していました。幼い頃神童と呼ばれた兄は、朔よりもはるかに頑固に自分の習慣もスタイルも一切変えようと妥協せず、ついに才能を花開かせる事無く自分の世界に引き籠って家族を虐待していたのでした。その後兄は実は。。。

この日の客は上品な老女ミツコでした。ミツコは朔がミツコの依頼を受けて作った香水を気に入ったのでした。。。朔は、おそらくミツコはもう2度と来ないだろうと言い。。。実はミツコは。。。

【4: Woody Note】生理休暇を貰った一香は、友達のさつきちゃんと会いました。さつきちゃんは口紅のポスターのタレント、オリザがきれいだと言いましたが、実はオリザは朔の顧客で、秘密の筈の朔の情報をファンにばらし、知らない客が押しかけるようになって朔を困らせていたのでした。。。久しぶりに出勤すると、しばしば一香に粘着する隣の中年男にまとわりつかれました。やっと男を振り切って店に着くと、朔がオリザのマネージャーを呼び出していました。自分の事をばらしたのはお前だと朔は指摘し、オリザとの関係を。。。朔は逆にマネージャーに、オリザの人気を失くす香水を作れると言い出し。。。しかし。。。

また中年男が一香にまとわりつき、朔が男を追い払いました。朔は、何故人は自分の欲望を隠そうとするのだろうとひとりごち、一香はきっと人の心には森があって、奥深くに隠すうちに自分でも道に迷ってしまうのだと答えました。一香は菜園に迫る薔薇色の夕暮れの空を見ながら、男性といてこんな風に落ち着いた気持ちになったのは産まれて初めてだと思ったのでした。。。

【5: Spicy Note】一香は庭仕事できれいに日焼けしていました。一香が夏休みに兄と追いかけっこをしていた事もあったのを思い出していると、その朝何故か朔がどこにもいませんでした。現れた新城に朔の行方を尋ねると、朔は逮捕されたと驚くべき事を新城は言い出し。。。実は新城は家出した良家の娘を探しており、両親は縁談に差し障るからと娘探しを新城に依頼したのでした。さっぱり手がかりが無かった新城は匂いで娘を朔に探させ、朔はホームレスが持っていた娘のハンドバッグを見つけた所を警官に見咎められました。

しかもそのハンドバッグには娘の下着が入っており、下着泥棒を疑われた朔は連行されたのでした。問わず語りに新城は朔との馴れ初めを語り、小学校の同級生だった頃、一言も口をきかず、皆を無視していた朔は知能障害と思われ、特殊学校に通っていたと言いました。しかし何かと新城が朔を構っていると、やおら朔は普通に喋り出して普通学級に戻されたのでした。しかし人のついた嘘の匂いを嗅ぎ当てる事から同級生や先生、両親にまでに疎まれて、不登校になり、育児放棄されていたと言いました。

そして新城は、興信所を開業して朔を探し当て、朔が調香師になっているのを知り、朔が嗅ぎ当てる人の秘密は金になると考えた新城は今の仕事を始めたのだと言いました。新城は警察から連絡が来たから朔を迎えに行くと言い、一香も同行しました。懇意の刑事木場が現れ、木場は一香に朔は、都内のコインロッカー遺棄遺体の6割を発見した事があるのだと言い、解放された朔は、一香に断って一香の髪の匂いを嗅ぎました。。。朔は、バッグの中には血がわずかに着いた美結のシャツがあり、それを脱がせた男の素性がわかると新城と一香に言い。。。朔はその男に、連れて来た一香を見るなと命じ。。。

【6: Citrus Note】朔の元を刑事の木場が訪れました。朔は木場に、烏龍茶と金木犀の花のジュレと練乳入りミルク寒天のデザートを出し、木場は口内炎があってもこれなら食えるかと呟きました。それを聞いた一香がレシピを譲ると言いましたが、そこに現れた朔は作って持っていくと言いました。木場の頼みは、脊椎炎で寝たきりになっていた彼の息子に生きる力を呼び覚ます香りを作る事でした。3人で病院に行き、木場の息子翔にゼリーを食べさせました。翔は、病気になった自分は昔の約束通り刑事になれないから父親は怒っているのだと言い。。。

朔は熱心に仕事を始め、折柄一香の母親から電話が入り、一香はどうしても出られませんでしたが、辛うじてメールを送り、母親はいつでも帰って来いと言って寄越しましたが、兄が死んだあの家にはもう帰れないと一香は思いました。。。朔は徹夜で翔の為の香りを作り、一香にその香りの説明をしました。朔はその香りは小さな生物が命がけでこの香りを出し、こっちに気づいて、こっちに来て、と訴えるのだと言いました。。。実は翔の本心とは。。。

朔は、自分を捨てて出て行った母親が最後に朔を抱き締めた時の嘘の匂いをまだ覚えていると一香に言いました。。。一香は朔に、自分もまた人を見捨てたのだと打ち明け。。。実は一香は。。。

【7: Animal Note】一香は朔に、兄との事を語りました。すべて聞き終えた朔は、何も感想を言わずに一香に帰っていいと言って部屋に籠りました。一香の帰りは遅くなり、新城が一香を送る為に待っていました。新城は一香にリゾットを作らせて食べ、前の事件で犯人に朔が尋ねた事を一香に告げ、朔は愛着と執着の違いを知りたがっていたのだと言いました。そして新城は、いつも一香が朔の不在時に寝室のシーツを替えているが、自分ですら朔の仕事部屋や寝室に入った事は無いのだと言いました。。。新城は、あの犯人と朔には似た所がある、一香が変われば朔は一香を見捨てるだろうから、朔に義理を立てる必要は無いのだと言いました。。。

その日朔の元に顧客が訪れました。客は仁奈と言う、黒のライダーズスーツで身を包んだ肉食動物のような美人でした。新城は、あれは怖い女だ、好きな男を血塗れにして喜ぶのだと一香に言いました。仁奈は、好きな人が出来たから、その人を傷つける衝動を抑える為に傷跡の香りを作ってくれと朔に頼みました。。。一香は、仁奈の選択はきっと嘘ではないと言い、朔は、倫理観の無い獣のような生き物が人といる事は可能なのかと一香に尋ねました。。。一香は自作したレモンチェッロの試飲を朔に頼み、朔は仕事場に持って来てくれと言いました。部屋のドアを開けるとそこには。。。

【8: Last Note】朔は、一香はもう自由になったと言って一香を解雇しました。しかし。。。

心に傷を抱え、自堕落に暮らしていた一香は、たまたま見つけた求職のビラを見て調香師朔の元を訪れ、彼に雇われます。彼の元で仕事をこなす内に、現れる様々な客と関り、一香は次第に自分を取り戻して行きます。朔はそんな一香に最後の香りを与え、一香の自立を促しながらも、自らの内に芽生えた全く知らない感情の謎を解こうと苦悶するのでした。。。

千早先生の描く登場人物はしばしば歪です、私がこれまでレビューした、先生の従来の小説に登場するそうした歪な者達には、先生はあまり明確な救いや癒しを与えませんでした。しかしこの小説は違います。歪で嫉まれた者と、兄を2度見捨てた者はいつの間にか出会い、寄り添い、互いに癒しと救いを与えるのでありました。名作です。まだ大して先生の作品を読み込んではいませんが、私にはこの小説以後の先生の作風は、独特の個性を新たに確立したように見受けます。続編が楽しみです。

千早茜作「透明な夜の香り」を読みました。_d0019916_15175401.png


# by rodolfo1 | 2024-12-07 02:08 | 小説 | Comments(0)